家で使っている電気の多くは発電所から送られてくるものです。火力や水力、原子力などの発電所で生産した電気を遠くまで送るためには、まず高圧の電気を変電所に送らなければなりません。変電所では家庭で使用できる電気を配電変圧器から供給します。発電で生産された電気は20kV前後ですが、電気は電圧が高いほど電流が遠くまで行けます。また、高い電圧で電気を遠くまで送るほど途中で損失される電流量が少なくなりますので効率が高いです。
しかし、様々な方法を使っても発電所で生産した電気が送電線を通って一般家庭まで到達する間にはやはり電気の損失が発生します。もし各家庭で一定の電気が生産できれば、巨大な発電所の設備や変電所、変圧器、送電塔、電柱などの施設の運用にかかるコストを削減することができます。また、上記のような送電時の損失も最低限に抑えることができます。
家庭で燃料を使用する発電機で電気を生産することもできますが、太陽光および太陽熱エネルギー、風力エネルギー、地熱エネルギーなど環境に優しい再生可能エネルギーを活用して発電すれば、エネルギーの損失も減らせるし、環境問題の解決にも役立つと思います。代表的な例が太陽光発電です。太陽光発電機を設置している住宅が増えていますし、太陽光発電のコストも徐々に安くなっているため、今後さらに増加していくと考えられます。
太陽光住宅は太陽光発電を利用して生産したエネルギーを2次電池に貯蔵しておいて必要な時に使います。その時に2次電池の代わりに水素をエネルギー貯蔵用として利用すると、環境に優しい太陽光グリーン水素の再生可能エネルギー住宅となります。太陽光で生産された電気で水素を生産して貯蔵しておいて必要な時に水素燃料電池を利用して電気を使う仕組みです。
水素エネルギーを利用する住宅を建築する際に、太陽光、水力、風力など様々な再生可能エネルギーを活用することもできますが、もっと活性化できるのは地域条件に自由なものが太陽光発電です。それにトータルエネルギーソリューションカンパニーであるQセルズに水素都市事業は、注目すべき事業分野です。太陽電池アレイやソリューションの供給を主導することもできますし、水素事業に直接参加して水素燃料電池もしくは水素分解および貯蔵装置を開発・供給することもできます。さらに、水素貯蔵ユニットが開発できた場合は水素燃料の流通も可能となるでしょう。
住宅とその住宅での生活は我々の人生において大きな部分を占めていますので、住宅での水素エネルギー利用は社会経済的に大変重要な課題です。また、水素エネルギー関連事業はある一つの分野ではなく、生活全体に関わるため、今後の水素経済発展の可能性はさらに広がります。